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ニュースリリース 2022.11.14

GRACEが横浜国立大学と共同研究契約を締結。廃棄物から抽出した次世代素材を活用した新製品開発の共同研究を進める

GRACEは2022年11月1日、横浜国立大学と共同研究契約を締結し、同大学院工学研究院 川村出准教授の研究グループとコーヒー粕をはじめ食品廃棄物由来のセルロースナノファイバーを活用した新製品開発の共同研究を進めることで合意いたしましたのでお知らせいたします。

廃棄物から次世代素材を抽出する研究を進めることで、川村研とともに従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済から、サーキュラー・エコノミーへの移行を横浜から世界に向けて発信してまいります。

今回の共同研究契約の締結に至った経緯

川村研では2018年頃より、使用済みコーヒー粕(Spent Coffee Grounds;SCGs)にセルロースなどを成分とする細胞壁が含まれていることに注目し、新しいリサイクル法について研究してきましたが、2020年4月にTEMPO 酸化法*を適用することで、CNFを生成することに成功。これらの成果をまとめた研究論文をセルロース研究の専門誌である Cellulose 誌にオンライン版で公開していました。

GRACEは2020年4月より、カフェレストラン事業部がカフェ業態「UNI COFFEE ROASTERY」をオープン。2022年11月現在で10店舗を展開するまでに成長する一方で、出店数に比例して大量に廃棄されるコーヒー粕の取り扱い、活用法を思案していました。

今回の共同研究契約の締結により、「UNI COFFEE ROASTERY」で廃棄される大量のコーヒー粕を提供すると同時に、同研究室へ研究費などを支援することで、抽出した次世代素材であるCNFの実用化、製品化に向けて両者で研究を進めてまいります。

<TEMPO 酸化法>
TEMPO は 2,2,6,6 テトラメチルピペリジ-1-オキシルと呼ばれる常温常圧で安定な有機ニトロラジカル。
触媒量の TEMPO を含む水溶液中で天然セルロースを反応させ、軽微な解繊処理をすることでセルロースナノファイバーを生成することができる。この技術は、東京大学の磯貝明教授らの研究チームが、2006 年に結晶性のセルロースミクロフィブリルの表面でカルボキシル化反応が起きていることを見出し、静電的な反発によりセルロースをナノ化できることを報告した。

CNFとは

CNF(Cellulose Nano Fiber)とは、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度等の特性を有する植物由来の次世代素材で、 木材から化学的・機械的処理により取り出したナノサイズの繊維状物質。軽さ、強度、耐膨張性などに優れるうえ、従来品と比較してCO2の効果的な削減を図れるなど環境負荷が少ない点などにも世界中から注目が集まっています。現在、自動車、家電、住宅・建材などへ活用され、さらなる普及を期待されています。

横浜国立大学 川村研究室について

生物物理化学・構造生命化学研究室 横浜国立大学 大学院理工学府 化学・生命系理工学専攻 先端化学ユニット理工学部 化学・生命系学科 化学教育プログラム。生体分子が機能する上で必要な構造や運動性などを明らかにし、生体分子の働きを分子レベルで理解すること。また、生体分子の分子設計・構造情報を元に新しい機能性材料の開発を目指している。


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